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堀口五明笑 カエル陶彫

堀口五明笑PHOTO

■くだらなくて楽しい

 「息子がせっかくもらった陶芸用の土を使わないものだから、蠅のとまったカエルを作ったんですよ」。堀口五明笑さんがカエルの陶作品をつくることになったのは、そんなところからだった。その作品がおもしろいとまわりからいわれ、5年後には銀座でグループ展を開催。さらに5年後に個展を開催するようにまでなった。

 その作風は人目で堀口五明笑の作品だとわかる。名前にも顕わされるように作品のカエルたちは明るくて楽しい。

 「家の中に置くものだから明るい作品をつくりたい。作品を見て感心してもらわなくていいから、クスッと笑っていただけることがなによりの喜びです」

 地元埼玉の地名「五明」に「笑」を組み合わせ作家名とし、幸せを運んでくるカエルを作り続けている。信条は「くだらないものを一生懸命つくる」。そう語る堀口五明笑さんの顔が作品のカエルのように楽しそうだ。

堀口五明笑置物小蛙のんべい-3

■土をコントロールして作るのではない。

 独学で陶芸を始めたことで、数々の失敗を繰り返した。それによって、土を思い通りにコントロールしようと思うのではなく、土と相談しながら作ることが大事だと知る。作品はパーツをそれぞれ組み合わせて焼くため、収縮でひびが入るときがある。信楽の土を長年使ってきた堀口さんは、「どうすればどう焼けるか、だいたいこの土ならわかります。生成の段階からそれを予測して制作するのは陶芸の醍醐味のひとつですね」

 細い指先ひとつでその作品のもつ表情はガラッと変わってしまう。繊細な作業と予測によって、これだけ豊かなカエル作品が生まれるのだ。

 百貨店やギャラリーでの展示会以外にも、陶芸の楽しさを地元や地域の学校などでも教えている堀口さん。

 何かを語りかけているようなそのカエルたちは、温かく楽しい。耳をすませば、会話が聞こえてきそうだ。



■堀口五明笑(ほりぐち ごみょうしょう)

1948年 埼玉県小川町に生まれる。現在ときがわ町在住

1982年 陶彫をはじめる。日本樹鉢、水盤作家協会会員として陶芸活動を行う。1987年銀座陶悦にて三人展。1992年より以後各地で個展開催(銀座陶悦・赤城アートギャラリー・埼玉伝統工芸会館・梅田大丸・神戸そごう・梅田阪急・京都高島屋・名古屋松坂屋・日本橋高島屋・渋谷東急本店・なんば高島屋ほか)

石渡いくよ ネコ人形

石渡いくよ顔写真

■元気になるネコたち

「自分を元気にしてくれるもの」

石渡いくよ氏の作品は、作り手の作者自身を元気づけ、見るもの多くの人を元気にさせる。楽しそうなネコ作品の表情につい、つられて同じ顔をしてしまう。

 もともと絵を描くのが好きで、いつのまにか立体での表現になった。人形作家に師事し、人形制作の基礎を覚え、動物好きが高じて、擬人化した独自の作風が生まれた。

 擬人化といえ、人間になりすぎないよう、絶妙な人間とネコのバランスだ。ネコ本来の仕草がよく観察され完全な人間風にはしていない。逆に、テレビなどで気に入った人物を見ると「この人をネコにしたらどんなネコになるのかしら」と考える。

 楽しくなるのは、なにもその表情だけではない。石渡氏の作品には動きがあり、また物語がある。この子たちはどうして笑っているのだろうか。おかしな失敗をしたから笑いあっているのか、うまく弾けたから喜んでいるのか、見る人にいろんなストーリーを与えてくれる。



■古布をつかうことで雰囲気を出す


 ネコ人形に使う「古布」にもこだわっている。作風には時代ものが多いせいか、それらの風合いや柄は作品にぴったりだ。染織された古い生地は独特の雰囲気を持っており、現代からみた時代物にセピアイメージをあたえる。

 昔の着物を小さな人形に使うことは、実は意外と難しい。そもそも古布は人が着るサイズで作られたものだ。人形のサイズに柄を有効に使おうとするとどうしても柄が大きくなる。柄の使い方や合わせ方が難しい。さらにネコたちが着ているキモノだけではなく、帯や簪の飾りや小道具にも繊細に古布が使われているため、その柄選びは簡単ではない。

■ねこのヒゲは本物!?


 動物好きの石渡氏は当然のごとくネコを飼っている。いつも制作している部屋でネコたちは寛いでいるが、決して作品に手を出さない。ちょうど人形の頭の大きさはネコには格好の遊び道具だ。普通のボールでは遊ぶネコたちも、石渡氏が生み出す作品を楽しみにしているのだろうか。決していたずらをすることはない。

「ヒゲは本物のネコのヒゲを使っています。そういうと“抜いているの?”とよく聞かれるんですが(笑)、ネコのヒゲは抜ける時がわかるので、落ちた愛猫のヒゲを使っています。またファンから頂戴したものを大切に保管して作品に使っています」

 猫たちの協力のもと、楽しい石渡作品が完成する。





■石渡いくよ/いしわた いくよ
1953年東京都に生まれる 1987年 高橋操に師事 1989〜97年 「創作人形の家」にて個展・教室展 1991〜98年美術人形天愈展出展展示 1994年 ユザワヤ創作大賞展「猫手本忠臣蔵」グランプリ受賞 以後毎年個展、グループ展多数出展 

高橋操 創作人形

高橋操顔写真

 なんとも憎めない表情。決して美人ではないが、どうしても気になる存在。

 太っちょでユニークな独特な女性の人形作品を多く作ってきた高橋操さんが、今度は野菜や果物に入ったかわいい人形たちを生み出した。

「野菜や果物がもつ生命力と人形をコラボレーションしてみたかったんです」

高橋操/桃太郎

 そんな独特の人形を手掛ける高橋操さんは、もともと陶芸家志望だった。陶芸を仕事にしようと勉強していたが、陶器で人形を作ったのがきっかけで人形作家としての活動に入った。

 現在は人形のボディは石塑粘土で作っている。仕上げはアクリル絵の具や油絵の具。布や和紙などを使い、それぞれの人形の雰囲気にあった組み合わせで質感を表現している。

 作家が作る人形は、作家本人に似ることが多い。だが、高橋さん本人の雰囲気とは異なる様々な作品を制作する。

「電車の中や、テレビを見ていたりしても、自分の想像力を重くしてくれる表情豊かな人たちとの出会いが、作品のもとになっています」

 日常生活からインスピレーションを感じられることはそれが日常だけに意外と難しい。しかし高橋さんは日常にこそアートがあるのだと考える。

「普段の生活空間にあるからこそアートだと思います。散歩の途中や、いつもの景色、良く見ればなんとなくお気に入りになっている建物や、気になる看板などに沢山アートがあります。少し目線を変えればいろいろ刺激を受けるものが見つけられ、私を楽しませてくれます。そんな空間に私の人形も入っていけたらいいなと思っています。」

 いつも感じる力を持っていることが、作家としての大事な感性なのかもしれない。

■高橋操/たかはしみさお
横浜生まれ 1986年第2回人形たち展招待出品(プランタン銀座)。1995年デミ・ムーアコレクションに10作品収蔵。1996年「グリム童話の主人公達」ブロンズ像制作(栃木/グリムの森公園)。1998年京・舞妓人形展出品(大丸心斎橋ほか)。2003年安達忠良・高橋操二人展(四谷/晩紅舎)同’06’08。2004年ドール・ファンタジア招待出品(松屋銀座ほか)。08年アーツJクラフツ展招待出品(箱根/彫刻の森美術館)。09年ドール・アート展IN DUBAI出品(UAE)。作家たちの歌舞伎祭り展出品(玉川高島屋SC)。その他個展開催。